夢六十二夜


夢を見た。

「上から『2、0、5』だな」

三人の医者らしき男たちが俺のことを見ながら話している。

「いいですか?『2』だからここはまだ柔らかい」

そう言って触る俺の左肩は、確かにそんな感じ。

「そして『0』だから、ここはこう」

そう言って触る俺の心臓のあたり。
異常に柔らかくて、ゴムみたいで、背中側に医者の手が通り抜けた。

「そして『5』だ」

俺の右脇腹は、とても固く石のようだ。

「手術ですね」
「ええ」
「仕方ないね」
三人の医者は、俺を放ったらかして話を進める。

「でも『5』ってことは、まだ治りますよね?」
俺はオドオドしながら聞いてみた。
しかし、完全に無視されてしまう。

ケッ!とか思いながら、俺はどこかに出て行った。
その途中の道は、小学校の通学路の赤レンガの辺りだった。

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