夢七十二夜

夢を見た。

俺はトイレでふんばっている。
朝か?
夜かもしれない。

外では、ワイフがトイレに行きたくて泣いている。
驚くべきことに、ワイフの横にも俺がいて、
何やら慰めてなだめている。

妻を慰めながら、
(トイレにいるのも俺だし、一体どうしたらいいのか)
と考えていたような。
(そもそもトイレにいるのって俺だっけ?)
と考えてもいたような。

結局、妻がトイレに行ったかは確認できていない。

夢七十一夜


夢を見た。

リヤカーを引いている。
ピンクのジャガーが付いている。
車道行くのは当然危険。

どこかの交差点で、後ろに付いているはずのピンクのジャガーが追い越していった。
ドライバーは知らないおばさん。
見たこともない。

俺はリヤカーを捨てて、坂道を歩く。
ふと、足下のピアノ線に気付く。
目をこらせばそこら中に張り巡らされている。
ゆっくりゆっくり、用心しながら進むと、3〜4人の子どもたちがピアノ線を張っているところに出くわした。

その中の一人に「やめた方がいいよ」と注意すると、
即座に「仕方ないだろ」と言われてしまい、
なぜやめた方がいいのかを上手に説明できない俺は
あきらめて先に進んだ。ゆっくりゆっくり。

すると、さっきの一人が駆けてきて
「ここのは外してあげる」と言って、ピアノ線を外してくれた。

どこからか聞こえるラジオからは、40人を巻き込む大事故があったことが聞こえてきていた。
俺は、その事故の原因がピンクのジャガーであることを確信していた。



坂道をのぼったところにいた、知った顔の女のカメラマンは
「ブライアンに捨てられた〜」と言って、泣きながら中華丼をモリモリ喰っていた。

夢七十夜


夢を見た。

インドの苦行僧みたいなじいさんにからまれて、
地面に描いた四角と四角のちょうど真ん中に線を引くという行為を
何度も何度も見せられた。

その苦行僧みたいなじいさんは、
小さくなったり大きくなったりを自在に繰り返していて、
小さい時は30cmくらいで、
大きい時は3mくらいあった。